映画『レ・ミゼラブル』

<ネタバレでもないですが、ちょっとケチをつけてます>

見よう見ようと思って遅れていたのですが、ようやく見ました。
平日にも関わらず、満員に近い混雑ぶりで、年配の人がたくさん来ていましたね。
まず、それにびっくり。

原作を読んで感動した作品を後から映画で見るとがっかりしがち、という法則はありそうですが。
今回も残念ながらそのパターンになってしまいました。
ミュージカルは見ていないけど、数年前に岩波文庫で原作を読んで強烈な印象だっんですね。

この小説、話の筋道としては必ずしもうまくないところがいっぱいあるように思うのですが、それらを圧倒して、主人公ジャン・バルジャンという人格の持つ存在感がすごかったんです。

ジャン・バルジャンといえば、大男の力持ちで囚人であった過去を隠そうとしても目立ってしまうくらいの体格であったわけですよ。そういう野獣のような体と、そこから発する欲望と、それに対峙する理性とが、奇跡のように一人の人間を作り出しているという、それがジャン・バルジャン
その姿に感動したわけです。

そういう思い入れがあったにしても、この映画のジャン・バルジャンの配役はちょっとないんじゃなかろうか。

ジャン・バルジャンを追う警官ジャベール役のラッセル・クロウは大好きですが、これももっと悪そうな俳優が演じた方が良かったような。

長大な小説を一本の映画にしているので駆け足的になっちゃて、もともとある筋の粗も目立ってしまった感じ。

まあ、最後はちょっとジーンときましたけどね。でもあれも空想的なシーンだしなあ。

原作と違うからっていう鼻につくケチのつけ方ですみませんが、やっぱり残念でした。