若きサムライのために (文春文庫) [文庫] 三島 由紀夫 (著)


未来社会を信じない奴こそが今日の仕事をするんだよ。現在ただいましかないという生活をしている奴が何人いるか。現在ただいましかないというのが“文化”の本当の形で、そこにしか“文化”の最終的な形はないと思う。
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三島のいうことには未来のイメージがないなんていわれる。バカいえ、未来はオレに関係なくつくられてゆくさ、オレは未来のために生きてんじゃねェ、オレのために生き、オレの誇りのために生きてる。
『東大を動物園にしろ』

四十年以上経って読むと、未来を信じなかった三島の文章こそが現在の状況を鋭く予言していたかのように見える。